51.Chiesa di San Francesco a Ripa サン・フランチェスコ・ア・リーパ教会

Chiesa di San Francesco a Ripa
サン・フランチェスコ・ア・リーパ教会

Piazza di S. Francesco d’Assisi, 88, 00153 Roma RM,

無休 7時30分~12時30分 16時30分~19時30分
https://www.sanfrancescoaripa.it/

1231年創建。17世紀後半にM.デ・ロッシによって再建された教会。

外観

アルベルトーニ礼拝堂 Cappella Paluzzi Albertoni

Chiesa di San Francesco a Ripa
Chiesa di San Francesco a Ripa

左の側廊の入口から4番目のアルベルトーニ礼拝堂に「福者ルドヴィカ・アルベルトーニ」がある。
ルドヴィカ・アルベルトーニ(1473~1533年)は、生前貧しい人々の救済に献身し、1671年に福者に列せられた。これを記念して福者の同族であるパルッツィ・デリ・アルベルトーニ枢機卿が、この教会にあった同家の礼拝堂に聖女の像を造るようにベルニーニに依頼したもの。
神との一致という法悦状態を表しているかのような顔の表情、衣のひだの乱れ、さらにこの像が飾られている祭壇の奥行きを深く見せようとする工夫、採光の方法、全体的な色彩感覚はベルニーニならではの造形。
このアルベルトーニ礼拝堂は16世紀に作られたもので、この教会の左翼廊部にある。ベルニーニはこの礼拝堂の奥に祭壇を設け、その両脇に窓を切って光を採り、祭壇には自ら刻んだ横たわる福者の像とバチッチヨの《聖アンナと聖母子》の絵とを飾っている。身廊の方から見ると、この祭壇装飾は暗い礼拝堂の奥に、あたかもそこだけが神秘の光に包まれているかのように照り映えている。ことに大理石のルドヴィーカの像はやわらかな光を漂わせ、まことに神秘的だ(この礼拝堂におけるほど教会の照明が作品の効果を慣う例はない。もしライトがついていたら、消してもらうべきである)。その効果はライモンディ礼拝堂やコルナーロ礼拝堂の場合に似ているが、前者よりは一層集中感があリ、また後者とは比較にならないほど構想が単純である。それゆえ、我々はそこによリ深い宗教性と神秘を感じるのである。そしてこうした効果に、ベルニーニ一流の色彩に対する配慮が貢献している点も見逃すわけにはゆかない。つまリ彼は背景に絵を据え、台座の布に色大埋石を用いて、白い大理石の像がよく映えるように工夫しているのである。そしてルドヴィーカの像自体も、衣襞を大きく深く刻むことによって、その石の肌を透けてとおったリ、あるいは表面に漂ったリする光の効果を有効に引き出し、それによって、この像の神秘的表現を達成しようとしているのだ。

Chiesa di San Francesco a Ripa

ベルニーニは、大理石の彫刻に注目を集める建築環境を設計し、以前は絵画が掛けられていた既存の壁に彼が切り込んだアーチ道の中に彫刻を配置しました。主要な人物の側面には、アッシジの聖クレアと福者ルドヴィカ自身が物乞いに施しをしている初期のフレスコ画で装飾された斜めの角度に設定された深いリターンが配置されています。中央の人物は、リターンによって隠された大きな窓によって両側から照らされています。
彫刻の上の絵はベルニーニの弟子バッチョによるものです。

福者ルドヴィカ・アルベルトーニ  Beata Ludovica Albertoni

Chiesa di San Francesco a Ripa

晩年 1670-74
ベルニーニは今や70歳を過ぎ、1673年には妻に先立たれた。にもかかわらず、彼の創造力は衰えを見せなかった。あまり気勢の上がらなかったクレメンス10世時代にも、彼はいくつかの優れた作品を制作している。その筆頭にあげるべきは、福者ルドヴィーカ・アルベルトーニの像であろう。
この作品は、ローマのトラステヴェレ地区にあるサン・フランチェスコ・ア・リーパという目立たない教会にある。そのため一般にはほとんど知られていないが、この時期のベルニーニの代表作ともいえる傑作である。この作品は、クレメンス10世が即位すると間もなく、パルッツィ・デルリ・アルベルトーニ枢機卿から依頼され、1671年から74年にかけて制作されたと考えられる。このアルベルトーニ枢機卿は、教皇の実家アルティエーリ家と姻戚関係にあリ、教皇が最も頼りにしていた人物であった。かくして自家が生んだ福者を記念すべく、アルベルトーニ枢機卿はサン・フランチェスコ・リーパにある自家の礼拝堂の祭壇装飾をべルニーニに依頼したのである。ベルニーニはルイージの事件の余波で、この仕事を無償で引き受けている。

ルドヴィーカは胸に手をあてて横たわり、至福を表情に浮かべている。この像の解釈には、福者の死の姿を表わしているとする説と、神との神秘的合一の状態を表現しているとする説とがあり、どちらともにわかには判じ難い。そのポーズは死の姿を表わしたマリア・ラッジを思わせるが、十字架をかき抱いたという、伝記作者の伝えるルドヴィーカの死の様とは符合しないから、後者の説を正しいとすべきかもしれない。ともあれ、この像に近づいて手の表現などの細部を観察すると、衰えざるベルニーニののみの力に心を打たれないわけにはゆかない。けれども、そうした表現力やドラマテイックな形態にもかかわらず、全体の印象には不思議なほど静かで深いものがある。イタリア彫刻に関する3巻の著書で名高いポープ・ヘネシーは、ベルニーニとパロック彫刻にはむしろ冷淡だが、彼のこの時期の作品には大へん好意的だ。たとえぱサン・タンドレア・デルレ・フラッテの天使像について、彼は「これらは我々に、劇作家や設計者の無神経な自惚れではなく、献身的な大理石彫刻家の控え目な声で語りかける」と記し、一方このルドヴイーカの像について、「これまでの時期には考えられなかったような、円熟味と見栄に対する蔑視とをもって作られている。彼がイタリアの最も偉大な美術家の一員として受け入れられるとしたら、それは最終的には聖女テレサでなく、この至高の像によるにちがいないのである」と述べている。筆者はベルニーニの作品に対するポープ・ヘネシーの評価には必ずしも同意できないし、この論述にも賛成しかねるが、それは確かに一つの見識だといわざるをえない。福者ルドヴィーカの像には、70代半ばの作とは信じ難い創造性とともに、その年齢にふさわしい精神的な深さがあるからである。
BERNINIp202

教会のHPで「Estasi della Beata Ludovica del Bernini」エクスタシーと言い切っている。

Victoria & Albert Museum
Musee du Louvre
Musee du Louvre
ICG/Gabinetto Disegni e Stampe, Fondo Corsini; volume 34H2 Identificazione: BEATA LUDOVICA ALBERTONI GIACENTE Opera finale/originale: SCULTURA Soggetto opera finale/originale: BEATA LUDOVICA ALBERTONI GIACENTE Collocazione opera finale/originale: ROMA CHIESA DI S. FRANCESCO A RIPA